soleil



「さきっ!!お願い、母さんの言う事聞いて…」
「嫌だ!!!聞きたくなんか無い!いくらなんでも酷すぎるっ…」
「こうするしかなかったの。まおを…「まおの名前を気安く呼ぶな!!」
「さきっ……」
母さんはただただアタシを見て泣いていた。

知らない男たちに取られていった。
強そうな男達数人に捕まえられて泣きじゃくる小学1年生の頃のまお。
アタシの中のまおの記憶はそこでずっと止まっている。


正直、
まおはどこにいるかわからない。
なにしてるのかも。
生きてるのかも。分からない。


家族みんなまおのこと忘れたかのようにすぐにぎやかになって元の生活に戻った。
みんな、酷いよ。



その頃の小1のアタシはこの家族が嫌だった。


< 3 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop