十日目の判決 -完-
椎名の瞳が微かに、結希のほうを見た。
椎名、ダメだ。そんな表情をするな。
椎名は今、自分のことより結希のことを考えているのだろう。
「…いの、俺らは…」
「いのちゃん、あたしが浮気してるなんて…そんな事してないよ。」
結希ははっきりと言った。
椎名が話し出すのを遮ってはっきりそう言った。
結希の視線がしっかり私をさす。
「椎名くんも、浮気してる、なんてことはない。」
うん、結希の言葉は真っ直ぐだと思う。
結希は私の言葉を否定したのだ。
私はどうすればいいのだ。
何度考えたか分からない。
椎名は黙って結希の言葉を聞いていた。