大切で大切すぎる友達

気が合う友達



o○*:.。..。.。

「かんなちゃん!体育、バスケだね!」


奏ちゃんの笑顔はあいかわらず眩しいです...


結局、昨年同じグループだった友人らは誰一人として同じクラスにならなかった。


そして、なんと、いつも一緒に登校してる沙織が同じクラスだった。


でも、同じクラスになっても沙織との距離感はまったく変わらない。


学校に着けば、ほとんど話さない。


ということで、私は美人転校生の奏ちゃんと移動教室など、一緒に行動するようになった。


今まで2人だけのグループってものを作ったことがなくて、変な感じもするが、相手が奏ちゃんなだけに嬉しい。


そして、これまた私たちのグループはみんなから一目を置かれる存在になった。1つ下が沙織たちのグループ。


私はきっとそういう風になる運命の人間だと思う。


自分で言うのもなんだが、私はわりと美人だ。そして、運動も勉強も人並み以上にできる。


それだけで、いい意味でだが、目立つ。


類は友を呼ぶと言うように、そういう風にいい意味で目立つ人たちは集まる。


そして、クラスで一目置かれる存在になる。


それがいいことかはわからない。


きっと今までずっとそんな感じだったから、私はこんな冷めた人間になった。


表側だけで判断され続けられ、心の奥底は冷たく、汚くなった。


そんな自分を覆い隠すような薄っぺらい笑顔をみんなに振りまき、みんなから「優しいね、いい子だね」って褒められて満足してたけど、結局本当はそれも自分の表面部分なんだと気付いた時にはもう、私の心は腐ってた。


それでも薄い笑顔をへばり続ける。それに疲れた。けど、薄い笑顔をへばり続けるしか私には術がない。


でもね、なんでか奏ちゃんを見てたら、なんだか私は変われる気がするんだ。


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