【完】好きになれよ、俺のこと。


「……え……?」




うそ……。


い、今……っ。




「叶翔!? 叶翔!」




私の呼び掛けに答えるように、長いまつげが揺れた。




そして───ゆっくりとまぶたが上がり、


まだ不安定な黒い瞳が、私を映した。




「……叶翔…!」




「…陽、向……」




大好きな君の


私の名前を呼ぶ声に


ダムが決壊したかのように、涙が次から次へと溢れ出す。



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