イジワルな先輩との甘い事情
「なんか生々しいねぇ」
「と、とにかく、見た目ほど細くないよって事っ」
北澤先輩は、見た目ほどひょろひょろしていない。
マッチョとかっていうわけじゃないけど、それなりに鍛えてるのかほどよく筋肉質だ。
『そんなに非力に見えるのはちょっと心外かな』
何かの時、先輩はどちらかと言えばそんなに力があるようには見えない、みたいな会話になって。
私の言葉に、眉を寄せた先輩にそのままぐっとソファーに両手を押し付けられたのはもう結構前の事だ。
『俺みたいな非力でも、花奈くらいだったら簡単に好きにできる』
軽い嫌味と一緒に向けられた意地悪な笑みに、顔がカッと熱を持ったのを今でも覚えてる。
決して非力ではなかった先輩は、腕とかだって、私なんか比べ物にならないくらいがっしりしてるし、そういうのを見ると、やっぱり男の人なんだなぁと思……と、考えてから、頭を軽く振って妄想を振り落した。
このままじゃ園ちゃんにからかわれないでも顔が真っ赤になっちゃいそうだ。
「ふーん。でも……ちょっと北澤さんも対応難しいだろうね。
ところで花奈子ってさ、北澤さんに他の女の影があるとか感じた事ないの?」
「……うん。多分」
「なんかそれも不思議よね。都合いい女でいいからって、付き合ってもらってるみたいな感覚なわけでしょ?
なのに他の女の影見せないのってなんでだろ。普通、都合いい女には嘘つくのさえ面倒くさがったりしそうなのにね」