偽りの自分。


『...まぁいいや。
吉野、今日の放課後楽しみにしててね?』


美香が吉野の方に向きを戻して言う。


『な....何それ.....。』


吉野は怯えた顔を見せて、走って屋上をあとにした。


きっと、とっくに授業は始まっている。


今頃、教室入りしたところで怒られる。



美香のことは良くわからない。
 

美香は“ミス”を目指していたのかな?


多分.....。


『吉野のこと…まだいじめるの?』 


あたしは思いきって美香に言う。


カイトと吉野のことは疑って、
悪かったなって思ってる。


その瞬間、美香は振り向いた。


『いじめるに決まってるでしょっ?』


美香はにこにこしながら言う。


『...美香?まだやるの....?』


『やり過ぎじゃない...?』


優花と美鈴と雫は言う。



『止めたいなら止めれば?
絶交だから。』

怖い顔で美香は言う。



『や、やるよ!絶交嫌だし!』

三人は慌てて言った。


そんな、まだやるの?

どうしよう....!
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