君はあたしの天然王子
「でも良かったね、おめでとう!」
「ありがとう」
由陽さんが優しく、柔らかく微笑む。
それは、眩しすぎるくらい素敵で…
大きな花束を掲げる由陽さんが羨ましくなった。
あたしなんか、童顔だし小さいし…大人っぽさの欠片もない。
そんな子供なあたしでも、由陽さんみたいになれるのかな…?
そんなことを、ずっとずっと考えながら歩いていたら、いつの間にか家に辿り着いていた。
一緒に歩いていたお兄ちゃんが家の小さな門を開ける。
「あ…」
今更気づくなんて遅いけど…
お兄ちゃんが結婚するとなると…当然この家を出てくってことだよね?
それも寂しいな…
「美奈?入れよ」
ずっと立ち止まっているあたしに、お兄ちゃんが声を掛ける。
「入るよ…」
あたしは小さく答えた。