君はあたしの天然王子
翌日。
「ねぇ、美奈…ホントにホントに行くの?」
「ホントにホントよ!」
尚陽くんのマンションの前で、あたしは荷物の確認をする。
「尚陽くん…もしかして嫌だ?」
「へ?」
「いや、ちょっと気になって…」
あたし、今まで気付かなかったけど、昨日から尚陽くんに自分の意見を押し付けてばっかりだった。
「嫌じゃないよ。美奈の気持ちは凄く分かるし。俺も二人を“宿泊”したいよ。」
ん?
「“宿泊”じゃなくて“祝福”じゃないの…?」
「はて?」
この馬鹿!
天然通り越して、コイツただの馬鹿だ…。
―でも
「うれしい。ありがと、尚陽くん」
「…うん!」
やっぱ大好き。