~恋に気付くとき~
一度家に帰ろうと思ったけど、まっすぐトールちゃんのうちに向かう。


呼び鈴を押すと、間も無くドアが開いて、トールちゃんが出てきた。


まだ、制服姿。


だらしなく解かれたネクタイが、不思議と似合う。


思わず見とれるあたし。

「…なに?」

不思議そうなトールちゃん。


「あっ、うん…なんかね。トールちゃんて制服似合うなって改めて思ったんだ。カッコいい…。」


「俺、何着ても似合うから…。入れば?」


「うん…。」


軽口をたたくトールちゃんは、いつもどおりで、あたしは安心して、素直になれた。
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