君待ち人




緋衣ちゃんは優しいな。



好奇心旺盛な緋衣ちゃんは、気になることがあったら、グイグイ積極的に聞いてくる。


だけど、今回は、私が聞いてほしくないと思ってることを汲み取ってくれたんだよね。




「ありがと、緋衣ちゃん」


「笑って言えるようになったら、教えてね」



キラキラって、笑う。


今の私には純真無垢すぎて、逸らしたくなる。けれどためらって、代わりに瞬きをした。



私、緋衣ちゃんと友達になれてよかった。


緋衣ちゃんと仲良くなれて、私、幸せ者だ。





「いつか絶対話すね」


「それまで楽しみに待ってる」




私は、緋衣ちゃんと約束を交わした。


『ゆびきりげんまん』はなくとも、今度の約束も心にずっと残り続けるだろう。

だってこれは、一生の友情に誓う約束だから。




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