イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
その男らしく格好いい仕草に大抵の女の子なら見惚れていただろう。

でも、刹那さんには今朝から積り積もった恨みがある私はギッと彼を睨みつけた。

「違います‼」

誰が欲しがるか!

私は両手の拳をぎゅっと握り締めながら、全力で否定する。

何でそんな発想が浮かんでくるんだ!

「勘違いしないでくださいね。刹那さんなんて欲しくありません。牛丼か刹那さんのどちらか選べと言われたら、私は絶対に牛丼選びます!」

いい加減言葉遊びのような真似は止めてください。

そう願いながら主張したのに、刹那さんは私の主張を無視して空腹を訴えた。

「牛丼で思い出した。夕飯食べ損ねたんだ。何かないか?」

……私の主張はスルーですか?

刹那さんの態度にイラッとする。

だったら、私もそれ相応の対応をさせてもらいます。
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