イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
「桜子にしてはなかなか上手い切り返しだ」

「そこで褒めないでください。ああ、もう!ご飯の仕度してきます!」

プイッと横を向きクスクス笑う刹那さんを無視して、キッチンに向かう。

彼と話していると、こちらのペースを乱される。

何故会話をしてるだけで息切れするんだ?

口では絶対に彼には勝てない。

この数分でカロリーをかなり消費したような気がするのは気のせいだろうか?

私も……なんかお腹空いてきちゃった。

とっておきのがあるし、軽くお茶漬けでも食べよう。

刹那さんの分は私のついでだ。

だし汁を作り、冷蔵庫から刻んでおいたネギと醤油付けにした鯛の刺身を取り出す。

準備をしていると、紺の部屋着に着替えた刹那さんがダイニングテーブルの席に着いた。
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