イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
パッとベッドから起き上がり、刹那さんの書斎に向かう。

私しかいないのに、キョロキョロと辺りを見回してからそっと書斎のドアを開けた。

綺麗に整頓された部屋。物の置き場所も、置く角度も全て決まっているかのようだ。完璧主義の刹那さんらしい。

部屋に入って周囲を見渡すと、デスクに近づいて引き出しを開けた。

中には書類の入ったクリアファイルが数枚。

一枚一枚中を見て慎重に書類を確認するが、婚姻届は見つからない。

「一体どこにあるんだろう?ここにはないのかな?」

デスクの横に置いてある本棚を何気なく見る。

経営関係の本がぎっしり。でも、一番下の段には、アルバムが並んでいる。

興味を引かれて左から順番にアルバムを見ていくと、そこには私の知らない刹那さんがたくさんいた。

赤ちゃんの頃から目鼻立ちがしっかりしてて、可愛いんだけどすでに顔が出来上がっていて格好いい。

「イケメンは赤ちゃんの頃からイケメンなのね」
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