ねえ好きって言って 【完】
「恵恋」




この声は……




そーっと振り返ると
眉間にシワを寄せた
零太くんが立っていた。




「あ、零太くん……」




ど、どうしよう。
零太くんめっちゃ怒ってるし。




「帰るぞ」


「えっあ、うん…」




そう言ってニコッと
笑った表情は私にとって
ただただ恐ろしいものでしかなかった。




教室を出ようとすると
凪くんがやってきた。




「零太、ちょっといい?」




その瞬間少し空気が
ピリついた気がした。
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