杏ちゃん、結婚しよ



面会時間を過ぎて

急いで家に帰った


「おかえり、杏ちゃん」

「タク……」


腕まくりをして、立っていた

「物をね、触れるようになればなって思って気合いいれてたんだけど。
なにも掴めないんだよ」

「もうあたしに…会わな……」


あたしに会っちゃいけない

また危険な状態になるかもしれない…




けど、会わないでって言えなかった


もし…死んじゃったら


最後に話したのは、
あの日の朝


何を話したか

よく覚えてない



毎日そんなかんじだったから


「どうかした?」


< 18 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop