―ある日―

とうひ

ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……

走った。
必死で走った。
走って走って走って走って走って、
……足が止まった。

顔を上げて見ると、そこは学校だった。

「…………」
暗い、誰も居ない学校。
「…ッ!!」
フェンスを越えて中に入った。

他に行く場所なんて無いから。

足がフラフラしてる。体、重たいのに浮いてるみたいな妙な感覚。
私は……どうなってるの………。

ツラツラとした感覚のなか、気が付くと、たぶん無意識で、第二校舎の非常階段にいた。

「…………」
不思議と何も無い。
頭にも、感情にも、体にも、感覚にも。

あのあと………
気が付いたら、みんな、倒れてて……。
目を開けて、血を流して、ゆっくり流れて、それで…………。

「……!?」

急に体が震えだした。

「あっ……」
私………。
なんでっ!……もっ…………。

カキュッ

「!!!」
腕に冷たいのを感じて見たらっ!!

「なっ…で……?」
私の手の中には拳銃があった。
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