君のいいところ、1つしか思いつかない。




「あのね、」



と話すのはあたしばっかりで、だけど蓮もそれをちゃんと聞いてくれる。


会話が途切れた時の一瞬の沈黙とか、手を伸ばせば触れられる距離だとか、緊張してばかりで蓮の方を向けない。




「…結城と仲良いよね」



「え?」




蓮の口からその名前が出てくると思っていなくて、少し驚く。



「いや、最近そうだなと思って」


「晴は女の子なら誰とでも仲良いよ」




なんて笑いながら返した自分の言葉に、何故か胸が痛んだ。







< 121 / 296 >

この作品をシェア

pagetop