【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
気がつけば、彼が私の顔をのぞき込んでいて。
「え、あ、えっと……うん、大丈夫よ」
「………」
無言の彼が、私の腕を掴む。──昨日、男たちに触れられた部分を。
その瞬間昨日のことがフラッシュバックして、思わずその手を払ってしまいそうになった。
「こ、これはそういうことじゃないの……っ」
「怖かっただろ」
「え……」
思ってた以上に、優しい声色。
目を見開く私の、その部分よりも少し下を優しく掴んだ彼はその手を引き寄せて──ふわり、と。
「怖い思いさせて、ごめんな。
大事な女ひとり守れねぇなんて情けねぇな」
まるで、時が止まったのかと思った。
男たちに触れられた部分に、繊細という言葉がこれ以上に似合うことなんてあるのかと思うくらい優しく、彼の唇が落とされたから。
泣きたくなるほど、優しかった。
大事な女というのが嘘だということぐらい、私は痛いほど知っているのに。