【完】GUILTY BOYS -囚ワレノ姫-
「……やっぱり、咲乃なんだな」
小さくつぶやかれた言葉に、思わず押し黙った。──なん、で?
「な、んで……
咲乃だって、知ってるの……?」
私は一度も彼と付き合っていたなんて言ってない。羽紗と双子という事実しかみんな知らないはず。
羽紗と咲乃は、お互いの関係を友だちとしか言ってなかったはずだ。それに、学校も同じだから別におかしくはないって。
だから、私の存在は羽紗の姉としか知られてないはずなのに。
「本当は、」
──言いかけた彼の唇を、手で塞いだ。
「何も、言わないで……
さっきのことは聞かなかったことにする」
これ以上聞けば、何もかも変わってしまう気がした。本当に、何もかも。
「……あいつが、どうして関西にいるのか、知ってるんだろ」
彼が私の手を離して、優しい声音で尋ねてくる。小さくため息をついて。
「総長の女を取ったから、彼を心響から切り離すしかなかった。
そこで父親の転勤と重なって関西」
「お前、裏切られたんじゃないのか」