私の横に居る人

いつもより一緒になる機会が少ないかな。

「健先輩がやたらと気を使ってくれるから、かえって窮屈でさ。」

私は話を戻す。

「他の1年生に聞かれたよ。健先輩と悠は付き合ってるのかって。」

けらけら笑いながら麻帆は言う。

こういう時の麻帆は厄介だ。

「え～、困っちゃうな。」

私は頭を抱えた。

「ちゃんと付き合ってないって言っておいたけど、あれじゃ誤解されるよね。健先輩はどういうつもりなんだろうね。」

それは私が聞きたいくらいだ。

このままだと本当に気疲れしちゃう。しばらく捕まりたくないな。

その時ラインが届いた。

－悠ちゃん、ちょっと二人で抜け出さないか？健の相手で疲れていないかい？－

智樹先輩のラインを麻帆に見せた。