私の横に居る人
「智樹先輩も我慢が限界ってとこかな?悠はどうしたい?」

麻帆が意味ありげに微笑んだ。

「どうしよう。」

確かに智樹先輩といる方が気が楽だ。

いいや、むしろ癒される。

「別に夜までは自由なんだから、二人で出かけたら?そしたら私も寛人と出掛けるし。」

-外の駐車場においで。待ってるから。-

またラインが届いたのを、麻帆と確認した。

「寛人に健先輩を引き留めるようにしてもらうわ。早く出なよ。」

麻帆に促され、部屋の外に出された。

悪い事でもしているかのように、廊下をきょろきょろすると、私は慌てて駐車場へ。

良かった。

誰にも見られなかったみたい。

車の間を抜けながら、さてどうしようと思っていると、

「悠ちゃん。」

後ろから声がした。
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