私の横に居る人
初めて今の気持ちを出せたような気がする。

そんな場を作ってくれた健先輩に感謝だ。

「悠ちゃん、もう一つ伝えておく。俺さ、響子の気持ちに答えようかと思ってる。」

顔をほんのり赤くする健先輩。

私が言うのもなんだが、健先輩の照れた顔は可愛い。

「今の悠ちゃんの言葉を借りると、本当の俺を分かっているのは響子なのかもしれないと思うようになった。あいつの前だと言いたい事を言える。そして俺と同じ感性で答えが返ってくる。よくよく考えたら、そんな奴他にはいないよな。」

「響子先輩は、ずっと健先輩を待っていますよ。早くその気持ちを伝えてあげて下さい!」

私は健先輩をとても応援したくなった。

「そうだな。さあ、車に戻るか。」

話をそらすかのように健先輩が車へ向かう。

車に戻ると、手をつないで同乗して来た二人が待っていた。

「ありがとな、健。」
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