私の横に居る人
「俺、悠ちゃんを乗せていくつもりだったのに、横から健にさらわれちゃってさ。代わりに響子を押し付けられたよ。響子に健の愚痴をずっと聞かされてきたんだぜ。」

健先輩が話してくれた事を考えると、そこに響子先輩がいてはまずかったよね~。

だから響子先輩を智樹先輩の車に乗せたんだろうな。

「でも智樹先輩は気が付きました?健先輩と響子先輩の事…。私は健先輩からドライブインで聞いたんですよ。」

そんな私の言葉にうなずきながら智樹先輩は言った。

「朝、寛人達と聞いたよ。響子に告白するって。あの感じならうまくいったんだろうな。響子の粘り勝ちかな。」

ふわりと智樹先輩は笑った。

「悠ちゃんはどうなの?あの二人がくっついた事。」

「本当に良かったと思いますよ。すごく嬉しいです。」

満面の笑みで、私は正直に答える。

「でも健に告白されたんだろう?複雑じゃないの?」

「ちゃんとお断りした上で、響子先輩を応援してましたから!」

智樹先輩は私をチラリと見ると、

「そう。」とつぶやいた。
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