私の横に居る人
健先輩は、心配そうに私を見る。

「そんな事してないわよ。悠ちゃんと私は仲良しなんですからね。」

「お前がそう思ってるだけじゃないの?お前は押しが強いから、知らないうちに迷惑をかけてるんじゃないのか?」

本当に健先輩は響子先輩には容赦ない。

でもそれはとても大切な事なのかもしれない。

「私にやきもち焼いてないで、響子先輩を素直に迎えに来たと言ったら良いじゃないですか?はいはい、もう響子先輩を連れて行っていいですよ、健先輩。」

ちょっと仕返し気味に私が言うと、響子先輩はきょとんとしている。

「ばれていたか。じゃあ、響子を返してもらうな。」

そういって響子先輩の手を取ると、そのまま健先輩は歩き出した。

その姿を見て、他の人たちからも冷やかしの声がかかる。

そのまま豪快な笑顔の健先輩と顔を伏せ照れ気味の響子先輩は宴会場を後にし、それを合図にするかのように、宴会もお開きとなった。










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