私の横に居る人
「ん…、あったのかなかったのか自分でも分かんないの。」

「何それ?」

「実は…。」

思い切ってしゃべろうとした所へ、ドアをノックする音。

「荷物大丈夫か~?」

寛人先輩の声。

本当に麻帆の保護者のようだ。

「はーい、悠、帰ったらちゃんと聞くからね。」

麻帆は寛人先輩に、私は智樹先輩に手伝ってもらいながら、1階まで降りると玄関前に荷物を置く。

「清算に行ってくるよ。」

「私も付き合おうか?」

フロント前の混んでいる様子を見て、麻帆が言った。

「麻帆ちゃんはこっちを手伝って!悠ちゃん、清算よろしくね!」

響子先輩がにっこりと笑って、麻帆を連れて行く。
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