私の横に居る人
そして私をじっと見つめた後、私の唇を指で優しくなでると唇を合わせてきた。

深い深いキス。

私は答えるので精いっぱい。

唇ごと持って行かれそう。

「ごめん。抑えられなかった。」

智樹先輩は唇を離すと、私に囁いた。

「今晩は泊まっていく?」

私は恥ずかしくて、手で顔を覆った。

「まあ、こんな所じゃ返事も出来ないか。中に入ってよ。」

荷物を隅に置いている間に、先輩はお湯を沸かしに行ったようだ。

「留守していたから、何にもないな。コーヒーでも入れるよ。何突っ立てるの?ソファに座って。」

私はきょろきょろしながら、浅くソファに腰かけた。

シンプルな部屋だ。

でもきれいに掃除されている。

「落ち着かない?」

コーヒーを持って、横へ座る智樹先輩。

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