私の横に居る人
自分も人に入り込まないようにしている代わりに、私の中にもあまり入り込まないでほしいと思っている自分に、最近気が付いた。

だから自分のペースを守れる受験勉強の期間は、ある意味変な気遣いをせずに済む事にホッとしていた。

きっと一人でいても、寂しく感じないタイプなのかもしれない。

麻帆だけは別…って思いたいけど、その辺も自分ではどこまで麻帆に心を許しているのか分からない時があった。

自意識過剰気味なのかなとも思うけど。

「自分が一番自分を分かってないのかも…。」

「何か言った?」

考えていたことが、つい声に出ていたみたい。

「私ってどんな風に見えるのかな。大学生活をうまくやっていけるかな。」

私はつぶやいた。

麻帆が思いきり私の顔を覗き込んだ。

「何言ってるの。悠は少し自分を出すのが下手なだけ。そのままで良いのよ。私はそのままの悠が大好きよ。」

「何だか恥ずかしいよ。」
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