私の横に居る人
麻帆との帰り道…。

「悠は斉藤先輩の事、本当に知らないの?」

「う~ん、初対面だと思うんだけどな…。でもちょっと変な感じ。相手が私の事を知っているかもしれないのに、こちらには心当たりがないなんて…。」

さっきから斉藤先輩の事を思い出そうとしているんだけど…。

さっぱり思い当たらない。

「また寛人にも聞いてもらうわ。もしかして向こうが一方的に知っているとかかな?でも小野田先輩って面白そうな人だったね。きっと旅行研究会でも盛り上げ役なんだろうね!」

麻帆はとっても楽しそう。

「ああいう人が居るって事は、楽しいサークルなんだろうね。ちょっと期待しちゃうね。」

麻帆みたいに社交的な私じゃないけれど、何となく受け入れてもらえそうな3人の雰囲気に顔が綻んだ。

人付き合いが悪いわけじゃない。

ちょっと人見知りはするけれど。

でも一人っ子のせいか、なかなか自分の殻から出られないように感じてる。
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