私の横に居る人
「智樹さんから連絡もらってたから、夕飯用意しておいたわよ。」

最近は私抜きでもいろいろ連絡を取り合ってるみたい。

そりゃ、ちょっとやきもちを妬いても、罰は当たらないだろう。

「だからお父さんも早く帰って来ているわよ。」

お母さんの嬉しそうな声が響く。

「さあ、これからが本番だ…。」

何やらぶつぶつつぶやく智樹。

私達が居間へ入ると、お父さんとお母さんがソファに座って、まるで待ち構えていたみたいな様子。

「さあ、頑張ってもらおうかな。」

お母さんが笑う。

「石野さん、悠さんとの結婚を許してもらおうと思って今日は来ました。」

両親の前で直立不動のまま、智樹は口を開いた。

「この日を待っていたよ。大事な話があるって言うから、家内と楽しみにしていた。」

お父さんとお母さんが微笑むが、聞いていなかった私はびっくり。
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