私の横に居る人
ちょっと息苦しいかも…と思った時、

「石野さんが了解してくれるなら、山本出版はどうですか?実は一人バイトが卒業で減って、その人がしていた仕事が私に回ってきたんです。そうすると、今私がしている校正する人が居なくなっちゃうんです。」

「そうか、課長がまたバイトを募集しますかと言っていた件だな。私がちょうど部署をかわるから、悠とも顔を合わせる事もないだろうしな。」

「えっ?石野さん異動ですか?」

先輩が声を上げる。

「さすがにこの年になると現場を離れることになったよ。柄にもないが、人事部行きだ。」

「出世じゃないですか!」

珍しく大声を出す斉藤先輩。

私は自分のお父さんの事なのに、よく分からない。

そんな話聞いたかな?

「でもこの人は編集に携わっていたいみたいなの。もう若者の足を引っ張るだけなのにね。」

お母さんも異動に関しては聞いていたみたい。

やっぱり私が聞き流していたのかな。
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