私の横に居る人
「それで、君は悠にバイトをさせろと言うんだね?」

斉藤先輩は旅行研究会について説明し、バイトが必要な事を話した。

「私が山本出版でバイトをしているのもそれが理由です。」

「お父さん、悠の為にも良いことかもよ。お金の大切さも身に染みて分かるだろうし。」

お母さんは賛成してくれた。

「外へ出したくなければ、私の料理教室を手伝わせても良いし。」

その手が有ったか…。私はちょっと困った。

確かに私もお母さんの影響か、料理する事は好きだ。

お母さんは教室をしているだけあって、レシピ通りきちんとした料理をする人。

それに比べて、少々行き当たりばったりの私。

調味料も居れる材料も、割と思いつきも多い。

おかげで新しい味が見つかって、それがうれしいんだけどな。

私とお母さんの料理はタイプが違うんだよね。
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