どうぞ、ここで恋に落ちて

「古都、あんまりそればっかり考えてたら俺、妬きそう」

「んっ」


膨らみを柔らかく握られ、震えるその先をそっと弾かれた。

ズボンにも手をかけられ、スリルと脚から抜かれると、私も堪らず彼の素肌へ手を伸ばす。

樋泉さんがその気になったら、私の頭の中なんて、彼でいっぱいになってしまう。

触れ合う肌が熱く、お互いが逆らえない引力に引かれ合うように唇を重ねる。


「好きだよ、古都」


私が恋をした男の人は、私の名前を呼びながら、何度も優しいキスを落としていった。



* * *



私には、スーパーヒーローがいる。

月が海を引っ張るように、彼には不思議な引力があって、私をぐいぐい惹きつけて放さない。

彼が世の中の女の子につかせた悩ましいため息の数は、きっと夜空に輝く星々の総数にも値する。

そして恋人である私ですら視線ひとつで腰砕けになるくらい、彼はセクシーでエレガントでハンサムで、とにかくパーフェクト。


だけど実は、彼にはとっておきのキュートな一面がある。

それをひとり占めにできるのは、彼女である私の特権だと思うの。

本当に、どこまでも私を夢中にさせる人。


樋泉洋太は、そういう人だ。
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