流星群の下で

星が美しい。今日は特に美しい。そんな散文的な独り言を発しながら散歩をしていた私は、ふと思い立って町外れのの公園によることにした。そこは閑静な住宅街を出て暫く歩いたころにある、今いる場所からやや距離のある公園である。「月の下公園」というその公園には大きな噴水が真ん中にポツンとあって、あとは芝生の広がるだけの、まぁ簡素な公園である。わざわざ町外れの公園を選んだ訳といえば、比較的孤独を好む体質の私は誰もいないであろうところに行きたかった。それだけだ。その公園までわざわざ足を運び、星空の下で夜の静けさを謳歌しようと思っていた。だが、いざ到着してみると、期待を裏切るようにうっすら街灯に照らされた人影を見つけてしまった。その人影も私に気付き、こちらを向いた。私が驚いたことといえば、その人影は私より一回り小さく、黒のややだぼだぼのマントを地面に引きずらせていたことと、左手に真っ白な包帯が巻かれていたこと。だが、この状況下によるその格好だ。私は納得した。そいつは私に尋ねた。「あなたもペルセウス座流星群を見にきたのですか?」まだ幼さの残る小さな声が闇夜にこだました。
< 2 / 5 >

この作品をシェア

pagetop