GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~




その中でも、我こそは!と有志ある者は、希望で10キロのマラソンコースに出ることができる。


力試しという奴もいれば、女にいいところを見せたいからという理由の奴もいる。


俺も去年に続き、今年も出る予定だが……准が出ることは予想外だった。


准は運動オンチだ。走るのなんて練習以外は、基本逃げる奴だ。


そんな准が、マラソンコースに出るって言ってる。


「もし俺が、50位以内に入ったら……俺、城薗さんに気持ち伝えるから」


約300人いる中で、准にとっての50位は、正直厳しいと思う。


でも、コイツが本気なら、この話乗った。


「いーよ。楽しみにしてっから」


俺だって負けねぇ。


城薗のこと、簡単に諦めらんないからさ。


アイツのこと、好きだから。







「あ、電車来たぞ」


電車が運んできた風が、俺達の短い髪の毛をふわりと浮かせる。


准との戦いだ。


負けたくない。


絶対に、負けるもんか。


< 201 / 270 >

この作品をシェア

pagetop