GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
志摩と快二。side*奈央
「うー、行きたくないよぉ……」
布団の中にうずくまり、なかなか眠れずに朝を迎えた。睡魔よりも気が重い方が大きい。ため息しか出てこない。
【俺、お前が好きなんだよ】
昨日、快二から告られた。
頭の中ははパニックになって、部活も行かずに部長に連絡を入れた。
だって、あの快二だよ?
あたしに喧嘩吹っ掛けてくる快二だよ?
アイツがあたしを好きだったなんて、全然気づかなかった。
それに……昨日帰ってきてから机に置いたモノに目をやる。
それに……志摩に渡せなかった。
一生懸命作ったショコラケーキ。志摩にも食べて欲しかった。
何より、本命だったから……今回こそ絶対振り向いて欲しかったのに。
「快二のせいだ~……」
アイツからの告白さえなければ……
コンコン
「奈央?早く起きなさい。遅刻するわよ」
ドア越しにお母さんの声。布団の中から顔を出して、スマホで時間を確認する。