GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~



「やっば!!」


ベッドから飛び起きて洗面台に向かった。


「顔ヤバイよー。ブッサイク過ぎる」


顔を洗っていつものようにケアをして、自分の部屋にダッシュして制服に着替える。


今日は髪の毛に何も手は加えない。ていうか、そんな気力も時間もない!


「行ってくるね」


「あっ、奈央お弁当っ」


玄関で靴を履き替えていると、お母さんが小走りであたしの元へ来た。手渡されたお弁当+おにぎり2個。


「何があったか知らないけど、気が向いたら聞かせてね」


お母さんが優しく微笑む。


昨日無言で帰ってきたあたしに、いつもみたいにおかえりって言ってくれた。その言葉に泣きそうになったんだ。


「……ありがと。行ってきます」


家を出てダッシュして駅へ向かう。


いつもの時間帯の電車には間に合わない。だから、志摩と快二に会うことはないと思う。それだけで少し、気が楽になった。


< 203 / 270 >

この作品をシェア

pagetop