GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~



「コレ、わっけわかんねーんだけど。絵見てもさ、このエミリーがケンに何をしたいのかさっぱりわかんね」


あぁ、そうだった。前回のテストでは奇跡が起きたけど、本来コイツはあたしよりバカだった。


快二と協力して問題を解こうとしたあたしがバカだった。




「ふぅ。一通り解き終えた」


シャーペンを置き、大きく伸びをする。


「やっと終わったか」


快二が大きな欠伸をしながらあたしを見る。


「あ、アンタ終わったの?」


「おう、ほらよ」


快二から渡されたプリントは、全部穴埋めしてあった。


「うっそ、解けたの?」


「辻本のおかげー。なっ、辻本!」


あたし達の前の席にいる辻本くんが振り返り、苦笑する。


「いつの間に!?」


「お前がしかめっ面して問題解いている時に、ちょこーっと交渉したもんで」


快二の言葉に呆れながらも、秀才である辻本くんの回答をいただけて嬉しいよ。


< 206 / 270 >

この作品をシェア

pagetop