GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「コレ、わっけわかんねーんだけど。絵見てもさ、このエミリーがケンに何をしたいのかさっぱりわかんね」
あぁ、そうだった。前回のテストでは奇跡が起きたけど、本来コイツはあたしよりバカだった。
快二と協力して問題を解こうとしたあたしがバカだった。
「ふぅ。一通り解き終えた」
シャーペンを置き、大きく伸びをする。
「やっと終わったか」
快二が大きな欠伸をしながらあたしを見る。
「あ、アンタ終わったの?」
「おう、ほらよ」
快二から渡されたプリントは、全部穴埋めしてあった。
「うっそ、解けたの?」
「辻本のおかげー。なっ、辻本!」
あたし達の前の席にいる辻本くんが振り返り、苦笑する。
「いつの間に!?」
「お前がしかめっ面して問題解いている時に、ちょこーっと交渉したもんで」
快二の言葉に呆れながらも、秀才である辻本くんの回答をいただけて嬉しいよ。