GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
駅に着き、平日より少ない人波に流されて改札口へ向かう。
「やっと着いたー」
もうすぐ家に帰れる。そう思いながら、准と並んで歩く。
「そういえば、帰り城薗さん達の姿なかったね。クッキーのお礼言おうと思ってたのに」
「グラウンド整備の時に帰ってたからな。さすがにもういねーだろ」
「お?ちゃっかり把握してた感じ?」
「うっせーぞ、お前」
把握するに決まってんじゃん。声かけようと思ったけど、練習試合でカッコイイとこ見せらんなかったし、躊躇ったんだ。
「くー、快二の恋が実るといいな」
暗くなった空を見上げて呟いた准。
それがな、なっかなか上手くいきそうにもないんだよ。だって、准……お前が絡んでんだ。
アイツはお前が好きなんだよ。
俺のことなんて、ちっとも視野にないんだよ。
たとえ、エースというポジションにいても、同じクラスで席が隣だとしても、アイツの目に映ってんのは……准だ。