GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「お前浴衣じゃねーの?」
白生地で小さな黒のドットがとぶワンピース姿で、髪をアップしている城薗に尋ねる。
近くにいる古田や野村みたいな浴衣じゃないけど、いつもと違ってドキッとする。
「動きにくいし、すぐ着崩れそうだからやめちゃった」
「本当はおそろいにしたかったんだけどね~」
「奈央が拒否するもんで」
野村と古田が城薗を見ながら言う。その後ろに、古田の彼氏である多野がいるが、何のことだか分からず苦笑するだけ。
たしかに、浴衣姿をちょっと期待してたんだけどな。
「快二、1人で来たの?」
「いや……あー、野球部の奴等と」
「それって志摩もいるの?」
出たよ、コイツのこの言葉。
「……まぁな」
「うそ!どこ?」
辺りをキョロキョロ見渡す城薗。
「アイツら橋の近くの石段にいる」
「行く!雪、花蓮に多野くんいいかな?」
古田達にすぐさま確認をとる城薗。