GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~



「コイツが鈍すぎんのが悪い」


俺は、城薗の後ろ姿を見ながら呟く。


ったく、少しは俺のことも意識しろ、この鈍感。


「そういえば、奈央を花火に誘ったんだって?」


「おー。本気って思われてない上に、俺と行きたくないって言われたし」


超ヘコんだし。


「実はさ、俺も花蓮にアタックする時はそうだったんだよ。なかなか相手にしてもらえなくてさ」


そう言って、多野が力なく笑う。そんな多野でも、今は振り向いてもらえて無事古田と付き合うことが出来てんだもんな。


古田達に俺の気持ちがバレてんのを隠す気なんてねーし、むしろ協力してもらって城薗を振り向かせたいし。




「俺もまだまだアタックしねーとなぁ」


今のままでヘコたれてちゃ、余計城薗は俺の気持ちに気づきもしねーだろうし。


ずっと、城薗と准のやり取りを眺めているわけにもいかねーしな。


「でねっ、志摩」


「おーら、お前ちょっとは静かにしろ」


准に話しかける城薗の頭を、後ろから軽く叩く俺。


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