蟲狩り少女
しばらく海の家で休憩し、ご飯もご馳走になったあたしとお母さんは民宿へ戻ることにした。


「じゃぁ、あたしたち戻るね」


立ちあがり、夕花ちゃんと光磨へ声をかける。


「あ、じゃぁ俺もそろそろ民宿に戻ろうかな」


「光磨はどこに泊まっているの?」


「俺? 俺はすぐそこの《花丸民宿》だよ。バイト代で泊まれるところってそこくらいだったから」


「そうなの!?」


あたしは目を丸くして光磨を見る。


「あら、偶然ね。あたしたちもそこに泊まっているのよ」


お母さんンも驚いた表情でそう言う。


「え、そうだったんですか?」


海の家で偶然会ったばかりじゃなく、泊まる場所も一緒だなんて!
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