蟲狩り少女
最初は熱。


次は喉。


という具合に、スッキリとは治ってくれなくてその間に体育祭の準備が着々と進められていた。


クラスの中心的人物だった光磨に代わり、三岳友輝が指揮をとる。


それは当たり前のように見える光景だけれど、少しいびつな光景に見えた。


光磨がいないとこんなにも世界は変わってしまうのかと、時々自分自身で驚いてしまう。


いや、クラスの中には光磨がいてもいなくても変化なく過ごしている子は沢山いる。


つまり、あたしの中で光磨がいる事といない事が、大きな差となっているだけなのだ。


光磨が休んで3日が経過した。


今日も見晴らしのいい前の席に、あたしは少しだけうつむく。


授業中何気なく見ていた光磨の後ろ姿がないというのは、やっぱり少し変だ。
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