蟲狩り少女
担任の北野先生が教室に入ってきて、みんなが自分の席に座った。


「みんなおはよう。今日も1時限目は体育祭の準備に使う」


先生がそう言うと、体育祭前のどくとくの雰囲気に教室は包まれた。


準備や練習は楽しい。


その反面、運動が苦手なあたしは少し不安な行事でもあった。


「それぞれ、2種目は出るように。リレー系の種目は足の速いヤツを自薦や多選で決定してもいいぞ」


その言葉にあたしはホッと胸をなで下ろした。


高校では無理に走らなくてもいいみたいだ。


みんな勝ちたいから本当に足の速い人を選ぶだろうし、あたしの出番はなさそうだ。


そのままホームルームは終わり、休憩をはさんで1時限目の話し合いが始まった。
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