蟲狩り少女
「そうだよ、あたしだよ」


返事をすると、光磨は今度はハッキリと目を開けてくれた。


「……蟲……は?」


「大丈夫だよ。ちゃんと退治できたよ。ありがとう、光磨のおかげだった」


そう言うと、光磨は嬉しそうに笑う。


そっと光磨の額に手を当ててみると、まだ熱は高そうだった。


だけど下がってきているのか、光磨の額や首筋には汗がにじんでいた。


「ちょっと待ってて、先生に汗をふくタオルを借りてくる」


汗をかいたままじゃ気持ちが悪いハズだ。


あたしはすぐに立ちあがり、カーテンを開けて保険の先生に声をかけた。
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