蟲狩り少女
恋愛経験のないあたしには、それが普通かどうかよくわからない。


「光磨君の話を聞いて、てっきりお父さんの相手が光磨君のお母さんだって思い込んじゃったのよ」


「あら、そんなハズないじゃないですか！　そんな事を知ってここへ来たとしたら、私悪者みたい」


清野カナはそう言いながらもおかしそうに笑う。


「な……んだぁ……」


すべては光磨の勘違いから始まったことだったんだ。


あたしやお母さんに心の隙間なんてない。


全部が明るみに出た今、あたしもなんだかおかしくて仕方なくなった。


光磨も笑っている。


双子の兄弟がほぼ同時期に子供を授かり、そして２人ともいなくなってしまった。


その共通点からあたしたちは深い思い込みをしてしまったのだ。


清野カナの説明により、すべて理解できた。


そして清野カナが大切に持っていた写真を見せてもらうことで、光磨が勘違いした理由もわかったのだ。

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