蟲狩り少女
ポタリと頬に冷たい感覚があった。


「本当だ」


あたしは空を見上げ、降ってくる雪を見る。


雪の結晶は大きくて、キラキラと輝いている。


季節外れの雪は地面に落ちてジワリと溶ける。


不意に、光磨があたしの体を抱き寄せた。


スッポリと腕に包まれた状態であたしの心臓はドキドキし始める。


「光磨……?」


「寒いだろ」


その問いかけにあたしは無言のままだった。


雪が降っているというのに、全く寒さは感じない。


むしろ暖かいと感じている。


光磨の腕の中でそっと目を閉じた。


蟲たちに囲まれていた時とは全然違う、優しい暗闇が広がって行く。


「なぁ里音」


あたしからスッと身を離して光磨が言う。
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