蟲狩り少女
あたしがそう言うと、光磨は「俺も、そう思う」と、頷いた。


光磨と同じ意見だったことにホッと胸をなで下ろし、そして嬉しさを感じる。


「でも、クラスの奴らはそうは思っていない。このままじゃ三岳が悪者になっちまう」


「う、うん。そうだよね」


「かと言って、俺たちが三岳をかばったところで信じてくれるヤツが何人いるか……」


光磨の言う通りだ。


光磨は三岳友輝と元々仲良しだし、あたしはクラスのトップ3としてひとくくりに見られている。


そんなあたしたちが三岳友輝を擁護しても、クラスメイトたちは仲良しだからかばっているんだとしか、思わないだろう。


もしかしたら、火に油を注ぐ結果になるかもしれない。


「どうしたもんかなぁ……」


光磨はそう呟きその場に胡坐をかいた。


背の高い光磨の顔が今あたしよりも下にあって、それはすごく新鮮でドキドキした。
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