蟲狩り少女
「なぁ、ちょっと、いい?」


次の授業の教科書を取り出して準備をしていたあたしに、光磨が声をかけて来た。


「なに?」


「テラスに行こうぜ」


そう言い、席を立つ光磨。


あたしは条件反射のように一緒に席を立った。


光磨に声をかけられると、いまだにドキドキしてしまう。


緊張感や圧迫感でのドキドキではなく、胸が熱くなるドキドキだ。


「な……なにかな?」


2人してテラスに出て、そう聞く。


「里音は、どう思う?」


「ど……どうって?」


「脇の怪我だよ。本当に三岳がやったと思う?」


「あ……それは……。あたしは……三岳友輝君はなにもしてないと思う。


最初に脇マサヤ君が言っていた通り、事故を起こしたんじゃないかな?」


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