蟲狩り少女
「ん……。なんだ? ここどこだよ」


三岳友輝は目をパチパチさせて周囲を見つめている。


「お前また脇をイジメていただろ。里音がお前にスプレーをかけて止めたんだぞ」


光磨がそう言い、あたしを指さす。


「あ……ご、ごめんね。どうやって止めようかなって思った時、偶然スプレーを持ってたから」


と、あたしは苦しい言い訳をする。


蟲が見えない人にとっては、そういう風に見えていたのだ。


「いや。ありがとう。なんか俺最近おかしくってさ。別にどうでもいいような事でもイライラしてて……。ごめんな、脇」


三岳友輝が脇マサヤを見る。


「いや……」


脇マサヤは怯えた表情のまま、左右に首を振った。


散々イジメられていたんだから、すぐに打ち解けることは無理だろう。
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