蟲狩り少女
☆☆☆

お母さんの作るクッキーは地元野菜の直売所へ持っていって、そこで販売もされていた。


プロというわけじゃないから、場所を借りて置かせてもらっている立場だ。


それでもお母さんの作るクッキーはとても人気で、毎日完売していた。


設け目的ではなく、趣味みたいなものらしい。


「ん~おいしい!」


ブタさんの形をしたクッキーをほおばると口いっぱいに甘い味が広がる。


ブタさんの耳はチョコクッキーになっていて、手が込んでいる。


「まぁまぁね」


お母さんは自分の作ったクッキーを食べて、まんざらでもない様子でそう言う。


「『まぁまぁ』じゃなくて『おいしい』よ?」


「そう? それなら良かった」
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